かつて、結婚と同時に仕事を辞める「寿退社」は、特に女性にとって一般的な選択肢でした。結婚後は夫に生活を支えてもらい、専業主婦として家庭を守るという考えが広く浸透していたためです。しかし、社会が変わるにつれて、女性の働き方やキャリアの選択肢も大きく変化しました。
今回は、結婚後に仕事を続けるべきか、それとも辞めるべきかを考える際に重要なポイントを掘り下げていきます。
昔と今の働き方:寿退社から続ける選択へ
かつては、結婚と同時に退職することが普通でした。特に、男尊女卑の価値観が強く残っていた時代には、「結婚後も働き続ける女性は少ない」という風潮がありました。周囲からのプレッシャーや、結婚後の女性に対する社会的な期待から、仕事を辞めざるを得なかった人も多かったでしょう。
しかし、時代が進むにつれて、特にここ数十年の間で、女性が結婚後も仕事を続けることが一般的になりつつあります。現在では、多くの企業が産休や育休の制度を整え、育児と仕事の両立をサポートしています。特に中小企業や地方の企業でも、女性が長く働ける環境が整ってきており、結婚や出産を理由に仕事を辞める必要がなくなりました。
私の勤務先でも、現在では営業職の女性が結婚や妊娠を機に外回りから内勤に異動するなど、女性が働きやすい環境を作るための配慮がなされています。こうした取り組みを見ると、2~30年くらい前には考えられなかったほど、女性の働き方が変化していると実感します。
結婚後に仕事を続ける理由:経済的な安心とキャリアの維持
結婚後に仕事を続けるかどうかの判断は、多くの要因に左右されます。その中で、特に重要なのは経済的な側面です。私自身、結婚後もフルタイムで働くことを選びましたが、その大きな理由は、家庭の収入を維持するためでした。夫の収入だけでは生活が厳しいと感じたため、私は仕事を続けることを選びました。
また、もうひとつの理由として、「ここで仕事を辞めてしまうと、同じような条件で再び正社員として働けるか分からない」という不安がありました。現在の職場で長年働いていると、それなりの給与と福利厚生を受けることができますが、一度仕事を辞めてしまうと、同じような待遇を得るのは難しいかもしれません。
特に、長く勤めた職場では、会社からの信頼も厚く、産休や病気休暇も取りやすくなります。また、長期入院などの際にも、有給休暇や特別休暇を利用して給与を維持しながら療養できることは大きなメリットです。こうしたサポートを気兼ねなく受けられるのは、長く同じ職場で働いてきたからこそです。
専業主婦と共働き:ライフスタイルに応じた選択
結婚後、専業主婦として家庭に専念するか、あるいは共働きを選ぶかは、それぞれのライフスタイルや価値観によって異なります。専業主婦のメリットとしては、時間にゆとりが持てることが挙げられます。家事や育児に専念できるため、家族との時間を大切にしたいという人には理想的な選択肢です。
一方で、専業主婦になると、自由に使えるお金が限られてしまい、社会とのつながりが減少するデメリットもあります。また、将来の不安を感じることも少なくありません。そこで、最近では専業主婦でありながら、自宅でライターやアフィリエイトなどの仕事をして収入を得る女性も増えてきました。
一方で共働きのメリットは、やはり経済的な安定です。特に、長く同じ職場で働いている場合、一定の収入が毎月得られるため、家庭の収入が安定し、老後の年金も安心です。しかし、共働きのデメリットは、時間に余裕がなくなることです。仕事と家庭の両立は大きな負担となり、特に子育てをしながらの共働きは大変です。
結婚後の働き方を考える:自分の理想と現実を見据えて
結婚という大きなライフイベントにおいて、自分の働き方をどうするかは慎重に考えるべきです。今の仕事を辞めるか続けるか、専業主婦になるかパートタイムで働くかは、それぞれの家庭の状況や個人の価値観によります。
重要なのは、自分の生活が大きく変わる中で、後悔しない選択をすることです。結婚後の働き方については、自分一人で決めるのではなく、パートナーとしっかり話し合い、互いの意見や状況を考慮した上で決断することが大切です。また、仕事を続ける場合は、パートナーからのサポートも重要です。家事や育児を分担し、家庭内での負担を軽減することで、仕事と家庭を両立させることができます。
結婚後のキャリアを考える際には、経済的な側面だけでなく、将来の自分や家族の生活を見据えた長期的な視点で判断することが求められます。そのためには、今の職場での経験や人間関係を大切にしながら、自分にとって最良の選択肢を見つけることが重要です。
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